愛の罠にはまれ!/樋口美沙緒

大大大好きなメガネ攻め!

虫シリーズというシリーズの4冊目だけどこの本単独で読んで特に問題ありません!私も読んでないし…
樋口先生の作品はこれ以外は見事に攻め受けの趣味が合わなくてほぼ積読のまま置いてるんだけどこれだけは何十回も読み返してる

ただ特殊設定がすごく多いシリーズだから虫と男体妊娠が苦手な人は注意して下さい

この兜という攻めが私にとって凄く衝撃で
それまでチャラい攻めもクズな攻めも全っ然好きじゃなかったはずなのに…!この男のせいで…っ
罠カプの為に記念本も金銀両方買ったし…結論として罠カプ目当てなら買うのは銀だけでいいっす

ネタバレカクヨー

改めて読み返したけど凄いジェットコースター小説だよなぁ😯

①まず最初から受けがボロボロ
②優しい攻めと再会して救われてめでたしめでたし
③かと思いきや攻めのクズムーブでただでさえ弱ってる受けをオーバーキル*1
④最終的に攻めザマァが発動し攻めも精神的にボコボコにされる
もう満身創痍で面白すぎる

この話受けがヘビーな過去持ちだから、攻めは癖の無いスパダリでも十分心温まる感動作になったと思う
でもそこに人格破綻者攻めぶつけてくる樋口先生のセンスよ

大分類で言えば兜(攻め)は、恋愛に本気になれない遊び人が受けに初恋して、いきなり執着攻めに豹変するっていうBLでよく見るパターンの攻めなんだよね…

じゃあなんで私はこの攻めに特別に惹かれるのかと考えたんだけど
兜は恋愛には淡白なんだけど人間愛は異常に持ち合わせてる変な男で、これまでも可哀想な人と付き合って相手が幸せになったら別れるボランティアみたいな恋愛をずっとしてきたんですよね
そして最初、篤郎(受け)に対してもこれまでの恋愛と同じ気持ちで近づいてきて求愛し始めるんです
ただボランティアとは言っても根っからの博愛主義者だから真摯に受けに尽くして、守って優しくしてくれて…篤郎も読者もめちゃくちゃ兜に愛されてると錯覚するんですよ
そして頑なな篤郎の心が兜に完全に傾いた後で、いきなり篤郎を酷い言葉で切り捨ててくるから篤郎と共に読んでるこっちも兜に感情をズタズタにされちゃうんですよね
演技ではなく本心で受けに愛を囁いた後で、悪気なく受けを捨てる宣言してくる男に感情を振り回されるマゾヒズム的快感というか、この高低差が沼らせてくる一因かなと🤔
ホントおもしれー男

惜しむらくは私がハマった頃にはもうドラマCDが手に入らなくなってた事ですね
BLCD得意じゃないけどキャストがピッタリ過ぎるので聴いてみたかった

*1:ゲーム用語で圧倒的な武力でもって、相手を過剰に殺戮すること。死体蹴り。